留守番電話の後ろの雨音
声がした。
呟くようにとつとつと。
機械を通したその声は酷く硬質だった。否、今の自分の気持ちがそう聞こえさせたのかもしれない。
しかしそれもどうでもいいことだった。
どうせ不快さは消えない。
自己主張するかのように赤い明滅を繰り返すそれを帰ってきた部屋で見つけた。
暗い部屋の中は雨音だけが響く。
滴る水滴もそれもまるで無視して、濡れた身体をそのままソファに横たえる。
服が身体に張り付く。
不快だ。
闇に次第に慣れた目で窓を見る。
暗い。
時間はどれほどたったのか雨音は酷くなる一方だ。窓に叩きつけるかのように降ってくる。
視界の端には、未だ繰り返し繰り返し点滅し続ける赤い光。
濡れて冷えた身体をゆっくりとソファから起こす。
身体についた水滴がソファに染みをつくっていた。触れると僅かに冷たい。
舌打ちをして、緩慢に機械に向かう。
それをかき消すように大きくなる雨音。
最後の機械音が静まり返った暗い部屋にやけに大きく響く。
不快だ。
耳につく雨音も肌に纏わりつく濡れた服も、雨音にかき消されたあの女の声も。
―雨音なんかで隠してんじゃねえよ。
再度舌打ちをし、男は荒々しく玄関へ向かう。
雨は、まだ止まない。
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喧嘩後。
どちらが折れたというべきか×