「?どうしたの?」
「あーなんでもねえなんでもねえ。てめえはガキのお守りにでも行ってろ」
「?でもこのあいだのお礼がまだ…」
「あー安心しろ。礼なら俺がしといてやる。せっかくだから色付けてな」
「??」

まだ状況がよく飲み込めていない私を尻目に、ヒル魔くんは掴んだ肩ごと私を後ろに追いやって、後はもうしっしっとまるで動物を追い払うかのように片手を振ってこちらを見ようともしない。
なんだか釈然としない扱いだったけれど、彼が極めて珍しく友好的な態度を示しているようなので、それに敬意を表しようと思う。お礼も言っておいてくれるということだし。


本当に珍しいこともあるものだと、去り際に一度振り返ってちらりと彼を見やるがもう背中しか見えない。


なんだかよくわからないけど、まあいいか。

そう考え苦笑すると、その場をあとにして、もう振り返ることなくセナたちの方に向かった。




違和はほんの少し

(ヒル魔vs阿含)