01


「てめえにしちゃよくやった」

「何だかんだ言って、てめえの存在は良くも悪くもでかいからな」
「くだらねぇもんに目をやる暇を与えてこなかった」
「それは大いに称賛もんだ」
「てめえは、よくやった」

「だからいい加減、その座を降りろ」


………目が笑ってないですよヒル魔さん。

(銃口を向けられた心臓)







02


「俺は決まった」
え?何が?
「だからてめえも決めろ、今すぐだ」
決めるって何を?え、あ、ちょっと、
「墓場に入る覚悟」
……………。
…………………。


プロポーズはもっと言葉を尽くすべきよ。
こういうときこそその悪魔の頭脳をフル回転させて甘い甘い言葉を。

死に追いやるのは、それからだ。

(潔い死に方)







03


この女の息の根を止めてやりたかった。ただそれだけだ。
この女の気持ちなんざ知ったことじゃねえ。
俺の傍で息づくこいつの存在を、消してやりたかった。ただそれだけのこと。


……私、いつかヒル魔くんに殺されそうな気がする。

震える真っ赤な唇で女は言う。
いつか、じゃねえ。今すぐこの場で息の根を。

どちらのものとも知れぬ血を舐めあげて、次は息の根を止めるまで。


(消せない瑕は、抉りとったらいい)