40の短文                        ≫≫≫ 配布元:文章修行家さんに40の短文描写お題



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 01. 告白
 02. 
 03. 卒業
 04. 
 05. 学ぶ
 06. 電車
 07. ペット
 08. 
 09. おとな
 10. 食事
 11. 
 12. 
 13. 女と女
 14. 手紙
 15. 信仰
 16. 遊び
 17. 初体験
 18. 仕事
 19. 化粧
 20. 怒り
 21. 神秘
 22. 
 23. 彼と彼女
 24. 悲しみ
 25. 
 26. 
 27. 芝居
 28. 
 29. 感謝
 30. イベント
 31. やわらかさ
 32. 痛み
 33. 好き
 34. 今昔(いまむかし)
 35. 渇き
 36. 浪漫
 37. 季節
 38. 別れ
 39. 
 40. 贈り物

                                             '06.11.01 - '06.12.24







01. 告白  【64文字】

   1度目のそれは女の動きを止めた。
   2度目のそれは女の青い瞳を見開かせた。
   距離をつめる。
   とりあえず3度目は、耳を塞がせるわけにはいかない。

                                         '06.11.01
     



 02.   【69文字】

   「言わないのか」
   「てめえはアレを見てどう思う」
   「………」
   「そういうこった」

   カップとソーサーが擦れる音に冷めた珈琲への舌打ちが微かに混じる。

                                         '06.11.22/61th down
   



 03. 卒業  【65文字】

   「…もう、いいんじゃねえか」
   そう言った俺に、女は無言で薄く笑う。
   半分自分に言い聞かせていたそれは、俺に苦い余韻を残しただけだった。

                                         '06.11.19
   



 04.   【65文字】

   女が立ち去る際に残した水を渇いた喉に流し込む。
   全身を這う妙な熱さはそれでは払いきれずに
   この先の40日の長さを、今更のように思い知った。

                                         '06.11.27/79th down
   



 05. 学ぶ  【66文字】

   「…てめえはちったぁ疑うっつー事を覚えろ」
   「?何を?」
   素でこれだからな。
   頭痛がする。

   おかげで脅迫手帳の糞野郎共の項は増えるばかりだ。

                                         '06.11.07
   



 06. 電車  【68文字】

   乗客は一人二人といなくなり、
   いつしか取り残されたように私達だけが残った。
   それは時間帯のせいか、それとも妙に機嫌の悪い隣の男のせいなのか。

                                         '06.11.02
   



 07. ペット  【65文字】

   いつからテリトリーに入る事、まして触れる事を許した。
   地獄の番犬の名が廃れはしねえのか、
   恒常化して来た光景に、今日もまた悪態をつく。

                                         '06.11.15
   



 08.   【65文字】

   空のお弁当箱を拾いあげ、自分とは違う茶色の毛並みを撫でる。
   「…ごめんね、ケルベロス」
   頭ではわかっているはずなのに。
   いつまで、私は。

                                         '06.11.17
   



 09. おとな  【68文字】

   ネバーランドにね、憧れてた。

   ぽつんと呟く言葉に、もう行けねぇな、と返す声。
   窓辺にティンカーベルは来ないまま、今は悪魔とベッドに二人きり。

                                         '06.11.29
   



 10. 食事  【65文字】

   「セナ、口の周り汚れてる」

   「ほら、お肉だけじゃなくて野菜もちゃんと食べなきゃ」

   …いっそその口の中に手榴弾でも押しこみてえもんだな。

                                         '06.12.01/108th down
   



 11.   【64文字】

   「…とんでもねえ女だな」
   まもり姉ちゃんが一晩で暗記したソレを
   ものの数秒で読み終えたヒル魔さんは、どこか意味ありげに口角を上げた。

                                        '06.11.12/9th down-2
   



 12.   【66文字】

   「…見た?」
   「何をだ」
   「三人だけじゃないんだよ」
   見上げたスタジアムはまだ遠いけれど
   刻んだ名前の数だけのものが、ちゃんとここにはある。

                                         '06.12.05/93th down
   



 13. 女と女  【69文字】

   『仕方ねーだろ!露峰の奴が気に入ってんだよ!』
   それもある意味問題だ。
   水際で止めとけ糞カメレオン。
   「いいから妙な入れ知恵させんじゃねえ!!」

                                         '06.11.20
   



 14. 手紙  【66文字】

    『親愛なるまもり姫』

   その宛名に薄ら寒さすら覚え、
   深紅の封蝋を開くのも躊躇われる。

   どんな戯れを、彼は今日この日に思い付いたというのか。

                                   '06.11.24/Mamori's Birthday
   



 15. 信仰  【67文字】

   てめえが天使と称されるなら俺は悪魔か。
   不釣合いだと笑う全てをてめえが望むなら消してやってもいい。

   現代のメフィストフェレスは妖しく笑う。

                                        '06.11.09
   



 16. 遊び  【65文字】

   盤上を支配した創造主気取りのトリックスター。
   長い指が今、白を黒にすりかえていく。
   「サアてめえの番だ」
   それは『投降しろ』と同義語だ。

                                        '06.11.11
      



 17. 初体験  【64文字】

   「不安要素のねえ試合なんざ無かったが、今回ばかりは群を抜くな」

   さも愉快そうに彼は言い、
   私に向かってプリッツを放り投げたのだった。

                                         '06.11.18/58th down
   



 18. 仕事  【67文字】

   「どうしてあの人数でここまで汚せるの…」
   目前の惨状に、入って正解だったと心底実感する。
   マネージャー初日、早くも自分の役目を思い知った。

                                        '06.11.06/9th down-1
   



 19. 化粧  【68文字】

   いっそ皮肉の一つも言えばいい。
   気後れする今の私にそれは救いに違いない。
   だが寄越されるは妙な沈黙ばかり。
   …新手の嫌がらせだとしたら相当だ。

                                         '06.11.30/87th down
   



 20. 怒り  【67文字】

   数m先でナイト宜しく女を助けてみせたチビの目が俺を向く。
   銃身を下ろすのに気付いた視線は確かに含みを帯びていた。

   とんだ伏兵がいたものだ。

                                        '06.12.16/128th down
   



 21. 神秘  【67文字】                                *31

   音もなく現れた白い猫の姿に一瞬息を飲む。
   けれどそれに臆す事なく身動ぎもしない。
   ただ鈍い光を帯びたキャッツアイが真っ直ぐ私を捉えていた。

                                        '06.12.19
   



 22.   【64文字】

   「証拠は揃ってんだろ」
   「だからって!何で私がヒル魔くんの、」
   「何せ演技大賞もんだったしなァ、“ボス”」
   「絶対面白がってるでしょう!?」

                                        '06.12.19
   



 23. 彼と彼女  【65文字】                             *28

   お似合いなのになあ、と二人を盗み見ながら一人思う。
   理想の身長差だよね。
   いつかそう言った私に、まも姉はただ困ったように笑って見せた。

                                        '06.12.20
   



 24. 悲しみ  【67文字】

   罪悪感を感じるのは僕の勝手に違いなかったけれど
   重ねた嘘を一つでも除けば全てはジェンガのように崩れてしまう、
   その思いだけは拭えずにいた。

                                        '06.11.26
   



 25.   【65文字】

   眠る彼の手に触れると同時に指先ごと絡め取られた。
   把握反射のようだ、と小さく笑う。
   絶対的な安心感を感じているのは私の方に違いないが。

                                        '06.12.21
   



 26.   【65文字】

   寝息もたてないから時々心配になるよ。
   微動だにせず深く眠った女のいつかの戯言を思い出す。
   その静寂は今此処に在るのと同じだったか糞女。

                                        '06.12.21
   



 27. 芝居  【65文字】

   いつまで”特別扱い”なのか、馬鹿げた話にも程がある。
   全ては、この女を欺く為だけの。

   「…セナなら買出しだとよ」

   そうと知りつつ、俺もまた。

                                        '06.12.08
   



 28.    【65文字】                                 *23

   たかが14cm。されど14cm。

   理想の身長差だよね!という鈴音ちゃんには申し訳なかったけれど
   私にしてみれば それは何をしたって埋まらない差の象徴だった。

                                        '06.12.20
   



 29. 感謝   【65文字】

   「だからお礼よ」
   いけしゃあしゃあと女は抜かす。
   眼前には女の笑みと甘い匂いを放つ物とが依然不動のまま。
   「…やっぱてめえ怒ってんだろ」

                                        '06.11.25
      



 30. イベント  【67文字】

   「…姉崎、飲んでるか」
   「少し。でも酔ってないわ」

   笑みを浮かべ姉崎は言う。
   この後銃器を担いで来るだろう男が何かしでかした事は明白だった。

                                        '06.12.15
   



 31. やわらかさ  【65文字】                            *21

   放っておけばいずれ消える。
   そう思っていたのはいつだったか。
   太々しい白い猫はそのまま居ついた。
   あの女を思わせる、青い瞳は健在のまま。

                                        '06.12.18
   



 32. 痛み  【65文字】

   不用意に伸ばした指にできた傷に気付き、
   彼に触れる事はこうゆう事なのだろうか、と不意に思う。
   割れたガラスは無残な反面酷く綺麗だった。

                                        '06.12.22
   



 33. 好き  【65文字】

   ミイラ取りがミイラになるかのように
   気付けばアメフトは当然のように生活の一部を占めた。
   それが今の私には可笑しくも嬉しく思えるのだった。

                                        '06.12.22
   



 34. 今昔(いまむかし)  【65文字】   

   目についた首の白さに
   これから先寒くなるばかりだというのに と
   どうでもいい事を思った。

   未だ見慣れぬ姿が、視界の端で見慣れた顔で笑う。

                                      '06.12.23/168th down-1
   



 35. 渇き  【63文字】

   いつから俺は気付いているのか。
     「ヒル魔くん、体調悪いの?」
     「…何でもねえ、近寄んな」

   何より欲するものが、その喉元にあることに。

                                        '06.11.21
   



 36. 浪漫  【65文字】

   感嘆詞をつける程の空じゃない。
   大陸の空はどうだった。
   だが隣の女は何が楽しいのかはしゃぐばかりだ。
   冥王星がてめえの目で見えるか馬鹿。

                                        '06.12.07
   



 37. 季節  【65文字】

   首元を秋風が掠め、少し心許なさを感じる。
   軽くなった髪のせいだろうか。
   けれどいずれはなじむのだろう。
   きっとまだ、慣れていないだけで。

                                      '06.12.23/168th down-2
   



 38. 別れ  【67文字】

   私の腕を掴んだ手は呆気なく放された。
   「行くのか」という問いも「興味ねえ」という答えも同じ熱しか孕まない。
   それでも私にはそれで充分だった。

                                        '06.12.06
   



 39.   【64文字】

   「分不相応なもん欲しがんじゃねえよ」
   嘲笑混じりの揶揄が当然の如く私の上に落ちてきたけれど。
   私が掴んだ腕は、振り解かれる事はなく。

                                        '06.11.23
   



 40. 贈り物  【65文字】

   「落とし物よ、ヒル魔くん」

   そう言った女が差し出したのは、手榴弾、ぬいぐるみ、ついで小箱と
   思わず舌打ちしたくなるラインナップだった。

                                     '06.12.24/118th down表紙